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(珍工作物) 八王子の違法手作り橋

訪問/撮影日:2012年6月、2013年4,5月 記事初投稿:2013/4/16 



北浅川に架かる、八王子の違法な手作り橋。昨年(2012年)6月初旬ジョギング中に見つけたもの。TBSの「噂の東京マガジン」という番組で報道されたこともあり、一時は知る人ぞ知るマニア物件になっていたようだ。





大幡町の住民の人達が作ったものらしいが、違法を警告する看板が傍らに設置してあった。 川は浅く深さ10cmもなさそうだったが、コンクリで出来た丸い輪っかの土台と細くて貧弱な金属の骨組みの上に薄いベニヤ板が渡してあるだけのワイルドさで、渡るうちに板をぶち抜くんじゃないかという恐怖にちょっと駆られた。 でも私が呆然とこの橋を見つめてた時(なんの事前知識もなかったので)、自転車に乗った学生が事も無げにさっそうとこの橋を渡っていったので驚いた記憶がある、うろ覚えだけど。 その後、この橋はTBSの「噂の東京マガジン」という番組で報道され、ちょっと有名になったみたいだけど、直後にやってきた台風で壊れてしまったんだとか。 詳しくは以下のブログさんなどに記載。

東京都八王子市 「住民手造りの橋」訪問記 - 埼玉発 おとなの小探険 - Yahoo!ブログ
噂の東京マガジンの 仮橋を見に行く - バナゴン 90 アトランテック - Yahoo!ブログ



昨日(2013年4月)、10ヶ月ぶり位にここをジョギングして訪れてみたんだけど、修復した後また壊れたのか、それとも去年の台風から放置したままなのか、よくわからないけども、ともかく橋は渡れない状態で残骸が散らばっておりました。



困った…これではジョギングが続けられない。対岸に渡らないと浅川ゆったりロード(ジョギング&サイクリングコース)に入れない。

 

地図で調べてみると北浅川の下流の方にはしばらく橋がない。戻るしかないか…と思案してたところ、西寺方グラウンドの脇を散歩する女性を見かけたのを思い出し、もしやと思いながら陵北大橋に戻って対岸に通じる道を探したところ、新しい砂利を敷き詰めた道が見つかった。



この道をまっすぐ進んだところ、めでたくさっきの違法橋の対岸に合流できましたとさ。でも昨年ここを訪れた時は藪が生い茂っていて行き止まりになっていた気がする(上の写真の白い矢印が書き込んである部分)。「ああ、ここが浅川ゆったりロードの北浅川方面の終点か」と思った記憶があるので。違法橋が壊れたために新しく整備して道を作ったんだろうか。

 しかしこの橋、Google MapsYahoo!地図だと橋だか堰堤だかわからないような細線1本で書いてあるのみなので車でここを通ろうとする人はまずいないと思うが(新しい砂利道も書き加えられていない)、NAVITIMEの地図では立派な橋が架けられた車道のような書き方をしているので、もしかしてもしかすると惑わされる人も出るんじゃないかなーと思ったりする。いいのかなーいいのかなー。

ちなみに上流側を迂回して対岸に行こうとすると(陵北大橋使用)、1km以上歩きます。下流側や他にもっと近道の方法があるのかもわかりませんが。



大幡町会の看板はなくなってたけど、違法を警告する看板は健在でした。



※追記
その後再び訪れてみたところ、橋はまた修復されて復活しておりました。2013年5月初旬。



この辺りの昔の地図を見てみましたら、ちゃんと橋がかかっております。
近くの陣馬街道は歴史があるし、便宜上架橋されても良さそうなものなのに。
なぜ放置されてるんでしょう?





その後、公式サイトを見たのですが(番組本編は見れなかったので)、住民の方がテレビ局に取材を依頼したみたいですね。いろいろ問題がありながらも、住民の結束を高めている、なかなか良い物件のようです。
番組公式サイト:TBS「噂の東京マガジン」 是か非か?掟破りの「手作り橋」 2012年6月17日放送

また 2013年6月20日でもテレビ朝日のワイド!スクランブルでこの橋が報道されたそうですね。
違法…でも便利“手作り橋”に行政がNO!! - ワイド!スクランブル 2013年6月20日 12 25放送 - TVログサーチ

放送内容
地域住民が自ら作り頻繁に利用している小さな橋は、行政から「撤去せよ」と警告が出ている違法な橋だという。地域住民による手作り橋は、土管とベニヤ板、 鉄パイプで作られていた。この橋は、八王子市にある北浅川にかかっている。この手作り橋の上流300m先には、陵北大橋という立派で大きな橋がある。しか し住民の多くは、手作り橋を利用している。この橋は大幡町会の会費で作られた物。

北浅川 大幡町(東京) 陵北大橋
川を渡った先にある、郵便局やバス停、八王子駅方面まで、手作り橋を利用すれば400mのところを、陵北大橋を使用すると3倍の1200mになる。実際に 歩いて時間を測ってみると、手作り橋を利用すると4分、利用しないと15分もかかった。大畑町会にも最寄りのバス停があるが、八王子方面に出かける場合、 往復で100円多くかかるという。しかしこの橋には問題があり、年に3〜4回大雨で流されてしまうという。地域住民は流される度に3〜40人で作り直すと いう。さらにもう1つ、河川法に違反しているというのだ。そのため、東京都は3年前橋を作った住民に「橋を撤去」するよう警告していた。しかしこの場所に は江戸時代から橋はあったと住民は言い、旅人の安全を祈願するために建てられた「馬頭観音地蔵」もあった。しかし河川法が施行され、橋を作るには河川管理 者の認可が必要になり、さらに周辺の住宅地開発に伴い陵北大橋を設置。しかし住民は手作り橋を流される度に作り直しているという。

河川法 馬頭観音地蔵
このままでは手作り橋を作った住民は河川法違反の可能性があり、罰則が与えられる。河川管理者の東京都南多摩西部建設事務所の回答は「河川法の許可を受け ていない橋であることを確認したので現状に回復するうようお話をし看板を設置しました 河川法に違反しているのでこれを認めることはできません」とのことだった。

Yahoo!検索(リアルタイム)で見てみると、賛否両論いろんな意見が知れて面白いです。是非はともかく、私はこの風情嫌いじゃないですね。
武蔵野・多摩MTB散歩さんには2003年当時の仮橋の様子が写ってますね(今とほぼ変わらない)。
Twitterには「年に4〜5回、流されてきた、費用=40万円〜50万円、八王子市が開発にともない、立派な「凌北大橋」を作ったが  住民は生活に便利な手作り橋を利用」「戦国時代から在るんですって! 八王子発行の地図に、掲載されている。 徳川様もご利用なさった」「江戸時代から橋があったものが1964年の河川法で違法に」等などの情報も。たまに酔っ払いが川に落ちるとの噂もあるらしく、ちょっと昭和っぽいエピソードだなあと思います。

ちなみに近くにある馬頭観音地蔵。
八王子市の北部・南部は古い石仏などがわりと多く残っており、はっきり言って田舎ですが、散策好きには楽しいところです。





説明を読むと対岸にも馬頭観音地蔵があるらしく、周辺をざっと探してみたけれど、残念ながら見つけられませんでした。



こちらのブログさんに対岸側の馬頭観音も載ってました。今度見てこよう…。
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